皆さんは「ツーリングしている姿」を想像するとき、きっと中型から大型のバイクに跨っているご自身の姿を思い描くかと思いますが、ツーリングは決してそのようなバイクでしか楽しむことのできないものではなく、原付であっても十分に楽しむことができるものとなっています。
原付を利用される方の多くの用途が、通勤・通学、近所への買い物のためといったものが多いかと思いますが、原付であってもツーリングのためのポイントを抑えておくことで十分にツーリングを楽しむことができますので、今回は「原付でツーリングを楽しめるの?」と疑問をお持ちの方に、原付ツーリングを楽しむためのポイントを紹介していこうと思います。
原付ツーリングのメリット
まずはじめに、原付ツーリングを楽しむポイントだけでなく、原付ツーリングだからこそ得られるメリットをご紹介しようと思います。
原付でツーリングするメリットには以下のものが挙げられます。
- 燃費がいい
- 小回りが利く
- 観光地でも駐輪場を見つけやすい
- 駐輪のための料金が安く済む
- 原付自体の維持管理費も安い
- レンタルでツーリングを検討する際にも費用が安く抑えられる
それぞれに関して詳しく見てみましょう。
燃費がいい
原付でツーリングする際のメリットとして魅力的なのが燃費の良さが挙げられます。以前から原付の燃費は他のバイクの車種と比較して良い傾向にありましたが、技術の進歩に伴ってますます燃費が向上しており、近年の原付バイクの燃費は70km/Lくらいに達しています。
更に郵便局員さんなどが郵便配達の際に乗っている、いわゆるカブ系のミニバイクなどに至っては100km/L前後を推移しているようにもなっており、この数字は原付以外のバイクの燃費を圧倒するほど高性能であるといえます。
小回りが利く
原付バイクは法定速度等の関係上、高速道路やバイパスなどを利用することができません。そのため、場合によっては街中などの道を走らなければいけないこともあるかと思いますが、そのような際にも小回りが抜群であるため走行上の不安を感じることがありません。
観光地でも駐輪場を見つけやすい
原付バイクは、道路交通法等で定められている法律により、駐輪の際には他のバイクと違い、駐輪場に停めることが可能となっています。
中型・大型のバイクとなると駐車場を探さないといけなくなりますが、それなりのスペースを必要ともするため、観光地などでは、どこにでも設置されているものでもありません。
しかしながら、原付バイクであれば駐輪場に自転車等と並んで一緒に駐輪することが可能となっているため、上記に挙げたような駐輪のためのトラブルに見舞われることが少ないといえます。
駐輪のための料金が安く済む
上記のメリットに引き続いてですが、原付バイクは駐輪場に停めることができるため、駐輪のための料金も、駐車場などに停めないといけないようなバイクと違って安く済みます。
観光地など遠方に出掛けるといった際には一晩の間であったり、歩きながら観光をする数時間であったりと、比較的長時間に亘って駐輪するということもあるかと思いますが、駐輪の時間が長ければ長いだけ差も大きくなるため、これもまた原付ならではの魅力であるといえます。
原付自体の維持管理費も安い
バイクは所有している限り一定の維持管理費が掛かることになりますが、原付であれば中型・大型バイクよりもこれらの費用を抑えることができます。
メンテナンスのための費用という観点から維持管理費が抑えられることはもちろんですが、中型から大型バイクとなると車検や重量税が発生することになるため、これらの費用が生じないという意味でも原付の利点は大きいといえます。
レンタルでツーリングを検討する際にも費用が安く抑えられる
バイクを所有してはいないものの、ツーリングを味わってみたいという方もいらっしゃるかと思います。
そのような際にはバイクをレンタルすることになるかと思いますが、原付のレンタル代は他のバイクと比較して非常に安価です。1日5,000円ほどでレンタルすることができるため、ツーリングの他の楽しみ(ご当地グルメや有名スポットなど)により多くの支出を回せるようにもなりますし、純粋に手頃にツーリングを楽しみたいという方にも非常に利点が多いものだといえます。
原付ツーリングの際のポイント3選
原付ツーリングの利点をご理解いただいた次に、実際に原付ツーリングを実践する際のポイントを3選にまとめて以下からご紹介していこうと思います。
原付ツーリングを実践する前の事前準備として備えておくべきポイントになっていますので、これから原付ツーリングにトライしてみようとお考えの方は実践の前にぜひご一読してみてください。
ポイント1:計画
1つめにご紹介するポイントは原付ツーリングを実施する際の、事前の計画に関してです。
原付の法定速度は30kmに定められているため、原付ツーリングを日帰りで楽しむとなった場合には移動できる最高距離の目安は300km前後になります。これはあくまでも、移動のみに費やした場合での計算でもあるため、ツーリング途中で有名スポット等に立ち寄りながらの計画をお考えの場合には移動距離も短くする必要があります。
また、ツーリング中、延々と走行するというのも体力的にハードとなってしまうため、休憩を念頭に置いた計画を立てることも重要であるといえます。
加えて、実際に計画を立てる際には帰宅時間から逆算して計画を組んでいくことが望ましいといえます。ツーリングの道のりは見知った道ばかりとは限らず、夜道などでトラブルに見舞われると対処が難しくなるためです。暗くなりすぎる前に帰宅できるツーリング計画を立てるようにしましょう。
ポイント2:装備
次にご紹介するのは装備のポイントです。
原付ツーリングを実施する際には事前に以下の装備品を予め用意することが望ましいといえます。
- レインウェア
- GPS
- リュックサック
- バンク修理キット
それぞれに関して確認しておきましょう。
レインウェア
原付ツーリングは長時間の移動が予想されるため、出発時には晴れていたとしてもツーリング中などに悪天候に見舞われてしまうことはあり得ることだといえます。また、山間部がツーリングルートなどになっているようであれば天候が急に変化することも珍しくないため、レインウェアの用意は必須事項であるといえます。
原付でのツーリングの場合には持ち運びができる荷物の量に(他のバイクと比較して一層の)限りがあるため、必要のないときにはコンパクトに仕舞っておくことのできるレインウェアを選ぶようにしておきましょう。
また、荷物の都合上、後述するようにリュックサックも原付ツーリングでは必須アイテムになりますが、そのようなリュックを背負ったままでも着用可能なレインウェアがよりおすすめだといえます。
GPS
ツーリングでは見知らぬ道を通ることもあるため、そのような際にも目的地に迷わず向かうことをサポートしてくれるGPSがあるとライダーさんにとって心強いといえます。
スマホのGPS対応の地図アプリなどをナビとして利用することも十分に可能ですが、山間部などの携帯電話の電波が届かないような場所ではそれらのアプリが機能しなくなってしまうため、オフラインでも表示可能な対策を講じることがベストであるといえます。
リュックサック
原付の収納スペースは非常に限りがあるため、リュックサックを用意してそちらに必要なものを仕舞うようにした方が賢明だといえます。
レインウェアで対策をすることももちろんですが、防水タイプのリュックサックなどを使えば急な雨に見舞われたとしても、仕舞っているものが濡れてしまったなどのトラブルに遭う可能性を小さくできるかと思いますので、できる限り防水加工タイプのリュックサックを選ぶようにしましょう。
バンク修理キット
ツーリングの際には近場に修理を行っている店舗があるとも限らないため、自分で対処できるようになっていることが望ましいといえます。
修理キットの説明書などで修理の方法に関して詳しく書かれているかと思いますので、事前に目を通しておき、実際にパンクしてしまった際には慌てず修理を行えるようになっていればベストだといえます。
ポイント3:服装
最後のポイントは服装に関してです。原付をはじめとしたバイクのツーリングは自転車の場合と異なり体を動かす必要がないため、走行中の風に当たり続けることで体感温度も低下しやすいです。そのため、原付ツーリングを行う際には防寒性・安全性を考慮した装いをすることが重要となります。
安全性の観点から、季節を問わず基本的には長袖・長ズボンの格好を行うようにし、加えてグローブなども身につけるようにして最大限の安全対策を行うようにしましょう。
その上で、季節に応じて通気性が優れているもの(夏などの暑い時期)、防風性や保温性が優れているもの(冬などの寒い時期)などを選択するようにしましょう。また、春や秋の時期は日中のツーリングには最適な気候であるといえますが、夕方頃になると気温が低下しやすくもあるため防寒対策を怠らないようにしましょう。
まとめ
原付ツーリングならではの利点と、実践する際の事前のポイントに関してご説明してきましたがいかがだったでしょうか?
ツーリングといえば、中型や大型バイクでのツーリングをイメージされる方も多いかと思いますが、決してそのようなことはなく原付でも十分に可能です。更にいえば、原付だからこそ実現できるツーリングの楽しさもあります。
今回の記事を通じて、「原付でツーリングにチャレンジしてみようかな?」とお考えになった方が少しでも増えてくれれば嬉しく思います。今回ご紹介したポイントをぜひ活用して素敵な原付ツーリングを体験なさってみてください!