バイクを高く売るコツ

本州最北端に位置し、三方を海に囲まれた青森県。その広大な大地には、ライダーの冒険心をかき立てる雄大な自然と、走りごたえのある道が無限に広がっています。春には雪の壁がそそり立つ山岳ロード、夏にはどこまでも続く海岸線と深い緑、秋には燃えるような紅葉、そして歴史と文化が息づく街並み。そのすべてが、訪れるライダーに最高のツーリング体験を約束してくれます。この記事では、数ある青森県の魅力的なスポットの中から、特におすすめしたいツーリングスポットを10箇所厳選してご紹介します。次の旅の計画に、この本州最果てのツーリングパラダイスを加えてみてはいかがでしょうか。

八甲田・十和田ゴールドライン


青森ツーリングのハイライトであり、多くのライダーが憧れる道が「八甲田・十和田ゴールドライン」です。青森市から十和田湖へと抜けるこの山岳ルートは、四季折々の絶景で訪れる者を魅了します。特に有名なのが、春の開通直後に現れる「雪の回廊」。数メートルにも及ぶ雪の壁の間をバイクで駆け抜ける体験は、他では味わえません。夏は生命力あふれる深い緑に包まれ、秋には山全体が燃えるようなグラデーションに染まる紅葉が圧巻です。途中には「睡蓮沼」や「地獄沼」といった見どころも点在。適度なワインディングと雄大な自然が織りなす道は、まさに走る喜びそのものを感じさせてくれるでしょう。ただし、冬季は閉鎖されるため、訪問時期の確認は必須です。

岩木山・津軽岩木スカイライン


津軽平野に美しい稜線を描く「岩木山」は、別名「津軽富士」とも呼ばれる地域のシンボルです。その8合目まで一気に駆け上がることができるのが、全長約10kmの有料道路「津軽岩木スカイライン」です。69ものカーブが続くこの道は、ライダーの挑戦心をくすぐる本格的なワインディングロード。コーナーを一つクリアするごとに標高が上がり、視界が開けていく高揚感は格別です。8合目の終点駐車場からは、津軽平野や日本海、そして遠く北海道までをも見渡せる息をのむような大パノラマが広がります。タイトなカーブが続くため、運転には集中力が必要ですが、走り切った後の達成感と絶景は、何物にも代えがたい思い出となるはずです。こちらも冬季は閉鎖されます。

龍飛崎(たっぴざき)


津軽半島の最北端、本州の果てに位置する「龍飛崎」は、荒々しい日本海の風と断崖絶壁が織りなすドラマチックな景観が魅力のスポットです。強風の名所としても知られ、風速計が設置されているほどの場所で、風に向かってバイクを走らせる体験は、まさに最果てを目指す旅の醍醐味と言えるでしょう。龍飛崎のもう一つの名物が、国道でありながら車両が通行できず、階段になっている「階段国道339号」。バイクを停めて、このユニークな道を歩いてみるのも一興です。周辺には「龍飛埼灯台」や、津軽海峡の景色を一望できる展望台もあります。風と波の音を聞きながら、本州の終わりで旅情に浸る。そんな特別な時間を過ごせる場所です。

仏ヶ浦(ほとけがうら)


下北半島の西海岸に位置する「仏ヶ浦」は、まるで異世界に迷い込んだかのような、神秘的で荘厳な景観が広がる国の名勝および天然記念物です。長い年月をかけて風雨と波によって侵食された、白緑色の奇岩群が約2kmにわたって連なっています。如来の首、五百羅漢、一ツ仏など、仏にちなんだ名が付けられた岩々は、見る者を圧倒します。駐車場から海岸までは遊歩道を歩いて下る必要がありますが、その先に広がる光景は、疲れを忘れさせるほどの美しさです。下北半島を一周するツーリングの目的地として、この地球の彫刻とも言える奇跡の造形美を目指す価値は十分にあります。海上から奇岩を眺める観光船も運航されています。

奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)


十和田湖から焼山まで、約14kmにわたって続く「奥入瀬渓流」。深い木々の緑、大小さまざまな滝、そして清らかな流れが織りなす風景は、日本を代表する渓流美として知られ、国の特別名勝および天然記念物に指定されています。この渓流に沿って走る国道102号線は、木漏れ日が降り注ぐ緑のトンネルの中を走る、日本でも屈指のシーニックロードです。バイクのエンジン音を抑え、ゆっくりと景色を楽しみながら流すのがおすすめ。途中には「阿修羅の流れ」や「雲井の滝」、「銚子大滝」といった見どころが点在しており、バイクを停めて遊歩道を散策し、マイナスイオンを全身で感じる時間は最高の癒やしとなるでしょう。

十和田湖


青森県と秋田県にまたがる広大なカルデラ湖「十和田湖」は、その神秘的な美しさで多くの人々を魅了します。周囲約46kmの湖畔を巡る道路は、変化に富んだツーリングコース。湖の青と周囲の木々の緑が織りなすコントラストが美しく、どこを切り取っても絵になる風景が続きます。特に、湖に突き出すように広がる中山半島と御倉半島を望む「発荷峠展望台」からの眺めは必見です。湖上には遊覧船も運航しており、湖からしか見ることのできない断崖絶壁などを眺めるのも一興。湖畔には、乙女の像が立つ休屋(やすみや)地区があり、食事や休憩の拠点となります。八甲田からのゴールドライン、あるいは奥入瀬渓流とセットで訪れたい、青森ツーリングの中心的スポットです。

高山稲荷神社(たかやまいなりじんじゃ)


つがる市にある「高山稲荷神社」は、近年SNSなどを中心に大きな注目を集めているフォトジェニックなスポットです。ここの魅力は、丘の上に築かれた庭園の中に、龍が天に昇るかのようにうねりながら続く、無数の赤い鳥居の回廊です。青い空と緑の庭園、そして朱色の鳥居が織りなすコントラストは、他に類を見ない幻想的な光景。一つ一つの鳥居をくぐりながら丘を登っていくと、眼下に日本海を望むことができます。バイクと共にこの鳥居群を写真に収めることは難しいですが、ツーリングの目的地として、この神秘的な空間を訪れる価値は十分にあります。五穀豊穣、海上安全、商売繁盛の神様として信仰を集めています。

鶴の舞橋(つるのまいはし)


津軽富士見湖(廻堰大溜池)にかかる「鶴の舞橋」は、全長300mを誇る日本一長い三連太鼓橋です。青森県産のヒバ材をふんだんに使用して造られたこの木造橋は、岩木山を背景にしたその優美な姿が、まるで鶴が空に舞うように見えることから名付けられました。橋の上を歩けば、木の温もりと香りが心地よく、穏やかな湖面と津軽の雄大な自然に心が和みます。特に、朝靄がかかる時間帯や、夕日に染まる時間帯は幻想的で、多くの写真愛好家が訪れます。駐車場も整備されており、バイクを停めてゆっくりとこの美しい橋と景観を堪能することができます。津軽地方を巡るツーリングの際には、ぜひ立ち寄りたいスポットの一つです。

蕪島(かぶしま)と蕪嶋神社


八戸市の海岸に位置する「蕪島」は、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている非常にユニークな場所です。毎年春から夏にかけて、数万羽ものウミネコが島を埋め尽くし、子育てを行います。その島の頂上には「蕪嶋神社」が鎮座しており、漁業安全や商売繁盛の神様として信仰されています。頭上を飛び交うウミネコたちの鳴き声は圧倒的で、時には「運(うん)」がついてくることも。他では決して味わえない、自然の生命力と信仰が一体となった不思議な空間です。ウミネコが好きな方はもちろん、一風変わったスポットを訪れたいライダーにおすすめです。

酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)


八甲田の山中にひっそりと佇む「酸ヶ湯温泉」は、約300年の歴史を持つ湯治場として知られる名湯です。そのシンボルとも言えるのが、総ヒバ造りの巨大な混浴大浴場「ヒバ千人風呂」。広々とした湯殿には、泉質の異なる4つの源泉があり、湯治場の風情を今に伝えています。強酸性の硫黄泉は、様々な効能が期待できるとされ、長旅の疲れを癒すのに最適です。ツーリングで冷えた体を、この歴史ある温泉でじっくりと温める時間は、まさに至福のひととき。周辺は豪雪地帯としても有名で、雪深い冬の景色もまた格別です(アクセスには注意が必要)。八甲田ゴールドラインを走るツーリングプランに、ぜひ組み込みたい癒やしのスポットです。

青森ツーリングのポイント・注意点


広大で自然豊かな青森県でのツーリングを安全に楽しむためには、いくつかの注意点があります。まず、山間部の道路は冬季閉鎖(11月下旬~4月頃)されることがほとんどです。八甲田・十和田ゴールドラインや津軽岩木スカイラインなどを走りたい場合は、必ず事前に道路交通情報を確認しましょう。
また、山間部は天候が急変しやすく、夏でも標高の高い場所では気温が下がることがあります。調整しやすい服装とレインウェアは必携です。
青森県は広いため、ガソリンスタンドの間隔が長いエリアもあります。特に半島部や山間部に入る際は、早めの給油を心がけてください。
そして、自然豊かな土地ならではの注意点として、野生動物の飛び出しにも気を付けましょう。特に早朝や夕暮れ時は、カモシカやキツネ、タヌキなどが道路に現れることがあります。スピードは控えめに、常に周囲に気を配りながら走行しましょう。

まとめ


本州最北の地・青森県は、ライダーが求める「走る喜び」と「見る感動」が凝縮された、まさにツーリングパラダイスです。雪の回廊が待ち受ける八甲田、荒々しい日本海の風を感じる龍飛崎、神秘的な美しさの奥入瀬渓流、そして数々の絶景ロード。どこを走っても、日常を忘れさせてくれる雄大な風景があなたを待っています。
今回ご紹介したスポットは、青森の持つ魅力のほんの一部に過ぎません。ぜひご自身のバイクでこの地を訪れ、その風土、食、そして人々の温かさに触れてみてください。