バイクを高く売るコツ

愛用のバイクと共に遠くの地へ旅に出る、あるいは生活の拠点を移す際、船による輸送は有効な選択肢の一つとなります。特に長距離の移動や離島へのアクセスにおいて、船はバイクを安全かつ比較的経済的に運ぶ手段を提供してくれます。この記事では、バイクを船で輸送する具体的な利用シーン、その手続きの流れ、メリットとデメリット、そして安全な輸送のために押さえておくべき注意点を詳しく解説していきます。

バイクの船の輸送はどんなシーンで利用される?


バイクの船輸送が選ばれる背景には、様々な状況や目的があります。

長距離の国内移動

例えば、東京から九州へといった長距離の国内移動において、フェリーを利用すればライダー自身の疲労を大幅に軽減しつつ、快適な船旅を楽しみながら目的地へバイクを運ぶことができます。このような長距離フェリーは、特に時間をかけて自走する手間や費用、体力を考慮した場合に魅力的な選択となります。

本土から離れた島への移動

また、沖縄や奄美群島のような本土から離れた島々へバイクを輸送する場合、船は不可欠な輸送手段です。これらの地域への引越しや長期滞在、あるいは島内でのツーリングを楽しむために、多くのライダーがフェリーや貨物船を利用しています。専門の輸送業者が、関東や関西、九州の主要港から沖縄などへのバイク輸送サービスを提供しており、生活物資と同様にバイクも定期的に運ばれています。

コストを抑えたバイクの移動

さらに、ライダー自身は飛行機などで別途移動し、バイクだけを無人車航送サービスや貨物便で送るというケースも考えられます。これは、購入したバイクを遠方から取り寄せる場合や、引越し先へ事前にバイクを送っておきたい場合などに便利です。国際間の移動や海外で購入したバイクを日本へ持ち込む際にも、時間はかかりますがコストを抑えられる船便(コンテナ輸送など)が一般的に利用されます。

バイクの船輸送の流れ


バイクを船で輸送する際の手続きは、ライダーがバイクと共に乗船する「旅客フェリー」の利用と、バイクのみを貨物として送る「無人航送」や「貨物輸送」とで異なります。

旅客フェリーの場合

ライダーがバイクと共に乗船する場合、まず利用するフェリー会社の航路、スケジュールを確認し、旅客運賃とバイクの航送運賃(排気量やサイズによって区分があることが多い)を含めて予約を行います。乗船当日は、出航時刻より余裕をもって港の窓口で乗船手続きを済ませ、指示に従ってバイクを運転して船内の車両甲板へ移動します。車両甲板では、船のスタッフの指示に従い、バイクを所定の位置に停め、ロープや専用の固定具を使って船体にしっかりと固定します。この固定作業は、航海中の揺れによる転倒を防ぐために非常に重要です。下船時も同様に、スタッフの指示に従ってバイクを運転して下船します。

無人航送・貨物輸送の場合

一方、バイクのみを貨物として送る場合は、バイク輸送を専門に扱う業者や、フェリー会社の貨物部門、あるいは沖縄航路などの貨物輸送業者に依頼するのが一般的です。まず見積もりを取り、輸送契約を結びます。その後、指定された日時にバイクを業者のデポ(集積所)や港の窓口へ持ち込むか、業者によっては自宅などへの集荷サービスを利用できる場合もあります。持ち込みの際には、車検証などの書類が必要となることが一般的です。業者がバイクの梱包(必要な場合)や船への積み込み、固定作業を行います。目的地に到着後は、港の窓口やデポでバイクを引き取るか、配送サービスを利用して指定場所へ届けてもらいます。

船輸送のメリット


船でバイクを輸送する最大のメリットの一つは、経済性です。特に長距離になればなるほど、自走する場合の燃料費、高速道路料金、宿泊費などを考慮すると、フェリーを利用した方が総費用を抑えられるケースが多く見られます。航空輸送と比較すれば、その費用差はさらに大きくなります。
ライダーがバイクと共に乗船する場合、長時間の運転から解放され、船内でゆっくりと休息を取ったり、食事や船旅そのものを楽しんだりできる点も大きな魅力です。また、飛行機のように厳しい手荷物制限がないため、キャンプ道具など多くの荷物をバイクに積んだまま運べる利便性もあります。
さらに、特に離島へのアクセスにおいては、船が唯一または最も現実的な車両輸送手段であることが多く、生活や観光に不可欠な役割を担っています。バイクの走行距離を伸ばさずに遠隔地へ届けられるため、車両の消耗を抑えたい場合にも有効です。

船輸送のデメリット


船輸送の主なデメリットとしては、まず輸送に時間がかかる点が挙げられます。国内の長距離フェリーでも一晩以上、国際輸送や離島航路では数日を要することも珍しくありません。緊急でバイクを送りたい場合には不向きです。
また、船の運航は天候に左右されやすく、台風や荒天時には欠航や大幅な遅延が発生する可能性があります。これにより、旅行や引越しのスケジュールに影響が出ることも考慮しておく必要があります。
港の立地もデメリットとなる場合があります。多くの場合、港は市街地から離れた場所に位置しているため、港までのアクセスや、到着後の移動に別途時間や手間がかかることがあります。バイクのみを貨物として送る場合の手続きが、乗船手続きに比べてやや煩雑に感じられることや、事前の燃料調整などを求められる場合がある点も留意が必要です。

船輸送の際の注意点


バイクを船で安全かつスムーズに輸送するためには、いくつかの注意点があります。まず、特にゴールデンウィークやお盆、年末年始といった繁忙期は、フェリーの予約が非常に取りにくくなるため、できるだけ早めに計画を立て、予約を済ませることが肝心です。
乗船前には、バイクのタイヤ空気圧やオイル漏れの有無など、基本的な車両状態を確認しておきましょう。乗船後、車両甲板でバイクを固定する際は、ギアをローに入れ、サイドスタンドだけでなく、船備え付けのロープやタイダウンベルトを使い、船体や手すりなどにしっかりと固定することが最も重要です。不安な場合は、遠慮なく船のスタッフに依頼し、確実に固定してもらいましょう。
バイクのみを輸送業者に委託する場合は、万が一の輸送中の事故や損傷に備え、運送保険の契約内容(補償範囲や免責事項)を事前にしっかり確認しておくことが大切です。貴重品や取り外し可能なアクセサリーは、事前にバイクから降ろしておきましょう。また、持ち込みや引き取りの際に必要な書類(車検証など)や手続きの流れ、支払い方法なども事前に確認しておくとスムーズです。

まとめ


バイクの船輸送は、長距離移動や離島へのアクセスにおいて、コストパフォーマンスに優れ、ライダーの負担を軽減できる便利な手段です。特にバイクと一緒に旅を楽しめる旅客フェリーは、移動そのものを豊かな体験に変えてくれます。一方で、輸送時間の長さや天候による影響といった側面も理解しておく必要があります。事前のしっかりとした情報収集と準備、適切な業者選び、そして確実なバイクの固定といった注意点を守ることで、船によるバイク輸送は、あなたのバイクライフをより快適で豊かなものにしてくれるでしょう。