バイクを高く売るコツ

愛車を売却しようと考えたとき、頭をよぎるのが「税金」の問題です。「自動車重量税」や「軽自動車税」など、名前は聞いたことがあっても、その仕組みは複雑です。特にバイクの場合、排気量によってどの税金が関係するのかが異なり、売却のタイミングを間違えると、支払う必要のなかった税金を負担する事態にもなりかねません。
バイクの売却を検討する上で、知っておくべき税金の知識と、いつが最適な「売り時」なのか。その関係性を詳しく解説します。

「自動車重量税」とは何か?


まず、表題にもある「自動車重量税」とは一体何なのか。その仕組みから解説します。この税金が、あなたのバイクに関係するのかどうかが最初の分岐点です。

自動車重量税は「車検時」に払う税金

自動車重量税とは、その名の通り車両の「重さ」などに応じて課される国税です。
これは、毎年5月頃に納税通知書が届く「自動車税」や「軽自動車税」とは全くの別物。支払うタイミングは、「新車登録時」と「車検(継続検査)時」です。
一般的に、車検の際に次の車検満了日までの期間分(自家用なら通常2年分)を「前払い」する形で納付します。つまり、年度末に一斉に請求が来る税金ではありません。

バイクに自動車重量税はかかるのか?

では、この自動車重量税はバイクにもかかるのでしょうか。結論から言うと、排気量によって異なります。
自動車重量税は、車検(検査)の対象となる車両に課されます。まず、125cc以下の原付(原付一種・二種)は車検制度がないため、自動車重量税はかかりません。同様に、126cc~250ccの軽二輪も車検制度がないため対象外です。
自動車重量税がかかるのは、車検が義務付けられている251cc以上の小型二輪のみとなります。
つまり、250cc以下のバイクを売却しようとしている方にとっては、自動車重量税は基本的に無関係な税金です。251cc以上のバイクオーナーのみが、車検時にこの税金を支払っています。

売却タイミングに直結する「軽自動車税」


自動車重量税が車検時に払う税金である一方、バイク売却のタイミングでそれ以上に重要となるのが「軽自動車税(種別割)」です。

4月1日時点の所有者に課税される

軽自動車税は、バイクの排気量に応じて課される地方税(市区町村税)です。自動車重量税とは違い、原付を含むすべてのバイクが課税対象となります。
この税金の最大の特徴は、「毎年4月1日午前0時」時点の所有者(車検証や標識交付証明書上の所有者)に対して、その年度の1年分(4月~翌3月分)が課税される仕組みです。
5月上旬頃に納税通知書が自宅に届き、1年分をまとめて支払うことになります。

軽自動車税に「還付制度」は無い

ここで、四輪車(登録車)の「自動車税」と決定的に違う、重要なルールがあります。
登録車の場合、年度の途中で車を売却(抹消登録)すると、残りの月数に応じて支払った自動車税が月割りで返金される「還付制度」があります。
しかし、バイクや軽自動車の「軽自動車税」には、この月割りの還付制度が一切ありません。
これが何を意味するか。例えば、4月2日にバイクを売却したとします。4月1日時点ではまだあなたが所有者だったため、1年分の軽自動車税の納税義務(数千円)が発生します。そして、その支払った税金は1円も戻ってこないのです。
一方で、3月31日までに売却し、名義変更(廃車手続き)が完了していれば、4月1日時点の所有者はあなたではないため、納税義務は完全にゼロとなります。

税金を考慮した「本当の売り時」


これらの税金の仕組みを理解すると、バイクを売却すべき最適なタイミング、いわゆる「売り時」が見えてきます。

なぜ「1月~3月」が最適なのか

軽自動車税の仕組みから、売却のタイミングは「3月31日まで」が鉄則であることがわかります。この時期は、税金面以外にもバイクが高く売れやすい理由が重なります。

第一の理由は、もちろん軽自動車税の支払いを回避できることです。3月中に売却を完了させれば、翌年度の軽自動車税(数千円)を支払う必要がなくなります。
第二の理由は、中古車市場の需要がピークになることです。4月からの新生活(進学・就職・転勤)に向けて、通勤・通学の足としてバイクの需要が一年で最も高まるのが1月~3月の「春商戦」。買取店は、この需要期に向けて在庫を確保するために買取を強化します。需要が高まれば相場も上がるため、他の時期よりも高い査定額が期待できるのです。
第三の理由として、買取店の「決算期」が重なる点も挙げられます。日本の多くの企業が3月を決算期としており、買取店も例外ではありません。決算前に少しでも販売台数や売上を伸ばすため、積極的な買取キャンペーンを行う傾向があります。
これらの要因が重なる1月~3月は、税金の節約と高額売却の両方を狙える「黄金のタイミング」と言えるでしょう。

251cc以上のバイクは「車検前」も狙い目

251cc以上のバイクオーナーの方は、もう一つ「自動車重量税」の観点からの売り時があります。それは「車検が切れる直前」です。
車検を通すためには、自動車重量税(2年分)のほか、自賠責保険料や数万円の点検整備費用がかかります。
もし車検を通した直後に売却しても、その時に支払った費用(特に重量税や整備費)がそのまま査定額に全額上乗せされることは期待できません。「車検が長く残っている」というプラス評価にはなりますが、支出した額を取り戻すのは困難です。
最も賢いのは、次の高額な車検費用と自動車重量税を支払う「前」に売却してしまうこと。
もし、あなたのバイクの車検満了日が「3月~5月頃」に設定されている場合、それは「軽自動車税の課税」と「車検費用の発生」という2つの大きな支出が迫るタイミング。まさに、売却を検討する絶対的な「売り時」と言えます。

まとめ


愛車を手放すタイミングは、オーナーの事情によって様々です。しかし、どうせ売るなら、少しでも賢く、損をしない時期を選びたいもの。
特に税金が関わる「年度末」は、大きな分岐点です。3月末までに売るか、4月1日を越えてしまうか。そのわずかな差が、数千円の支出を生むことになります。
さらに、1月~3月はバイクを欲しい人が増え、市場が活気づく時期でもあります。節税と高価買取、2つのメリットが重なるこの「黄金の季節」を逃さず、計画的に売却を進めることが、満足のいく取引への近道となるでしょう。