バイクを高く売るコツ

引っ越しは、人生の大きな転機です。新生活への期待が膨らむ一方で、荷造りや各種手続きなど、やるべきことの多さに圧倒される時期でもあります。そんな中、多くのバイクオーナーを悩ませるのが「愛車のバイクをどうするか」という問題です。
新居にも持っていくか、それとも売却するか。もし売却を選ぶなら、そのタイミングは「引っ越し前」と「引っ越し後」、どちらが賢い選択なのでしょうか?輸送コスト、手続きの手間、新居の環境――。これらを総合的に考えると、答えは意外とシンプルです。この記事では、バイク売却の「黄金タイミング」はいつなのか、その理由を徹底的に解説します。

結論:バイク売却の黄金タイミングは「引っ越し前」が圧勝


いきなり結論から申し上げますが、バイク売却の黄金タイミングは、よほど特殊な事情がない限り「引っ越し前」です。
なぜなら、「引っ越し後」の売却を選んだ場合、金銭的なコスト(輸送費)と時間的・精神的なコスト(手続きの手間)の両方で、大きな損をしてしまう可能性が非常に高いからです。新生活のスタートは、ただでさえ慌ただしく、予想外の出費もかさみます。そうした負担を最小限に抑え、スムーズに新生活を始めるためにも、バイクの売却は引っ越し準備のタスクとして「前に」済ませておくのが賢明です。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

なぜ「引っ越し前」に売るべきか?4つの圧倒的メリット


「引っ越し前」の売却を強く推奨するには、明確な4つの理由があります。どれも新生活をスムーズに始めるために直結する、重要なポイントです。

メリット1:【コスト】高額な「バイク輸送費」がゼロになる

これが最大の金銭的メリットです。バイクを新居に運ぶには、当然ながら輸送費がかかります。自家用車と違い、引っ越し業者のトラックに「ついでに」積んでもらうことは原則できず、専門のバイク輸送業者に依頼するのが一般的です。この費用が想像以上にかさみます。
例えば、バイク輸送専門業者の料金相場を見ると、東京から大阪までで約3万円~5万円、東京から福岡や北海道となると5万円~8万円程度かかることも珍しくありません。これはあくまで一例であり、車種(カウル付きの大型バイクは高めになる傾向)や時期によっても変動します。

もし、この高額な輸送費を払って新居に運んだ直後に「やはり乗る機会がない」「駐輪場代が高すぎる」といった理由で売却することになったらどうでしょう。支払った数万円の輸送費は、誰にも補償してもらえない「純粋な損失」となってしまいます。引っ越し前に売却すれば、この数万円の出費は完全にゼロになります。これは、新生活の初期費用が圧迫されるのを防ぐ上で、非常に大きなアドバンテージと言えます。

メリット2:【手間】面倒な「住所変更手続き」が一切不要

「引っ越し後」の売却を困難にする第二の要因が、この「住所変更手続き」です。引っ越しをしてバイクの保管場所(定置場)が変わった場合、所有者は15日以内に住所変更の手続きを行う法的な義務があります。この手続きが、排気量によって異なり、非常に面倒なのです。

・125cc以下の原付(原付一種・二種)
手続き場所は「新住所の市区町村役場」です。まず旧住所の役所で廃車手続き(ナンバー返納)を行い、「廃車申告受付書」を受け取ります。その後、新住所の役所で、その廃車申告受付書と新しい住民票、印鑑などを持参して新規登録手続きを行います。

・126cc~250ccの軽二輪
手続き場所は「新住所を管轄する運輸支局(陸運局)」です。新住所の住民票(発行から3ヶ月以内)、軽自動車届出済証、印鑑、そして管轄が変わる場合はナンバープレート本体を持参し、平日の日中に運輸支局へ出向く必要があります。

・251cc以上の小型二輪(車検あり)
手続き場所は同じく「運輸支局」ですが、さらに「車検証」が必要になります。

引っ越し直後の、転入届や免許証の住所変更、ライフラインの契約などで慌ただしい時期に、このバイクの手続きまで行うのは大変な精神的負担です。引っ越し前に売却すれば、現住所のまま買取業者に引き渡すだけ。その後の廃車手続きや名義変更は、すべて業者が無料で行ってくれます。この「手間がゼロ」というメリットは、輸送費に匹敵するほど価値があります。

メリット3:【金銭】売却金を「引っ越し費用」や「新生活費」に充てられる

引っ越しは、人生で最も大きな出費の一つです。新居の敷金・礼金、仲介手数料、引っ越し業者への支払い、新しい家具や家電の購入費用など、瞬く間にお金が飛んでいきます。数十万円単位の出費になることも珍しくありません。

こうした状況で、バイクの売却によって得られるまとまった現金は、非常に強力な助けとなります。引っ越し前に売却を完了させておけば、その売却金をそっくりそのまま引っ越し費用や新生活の初期費用に充当できるのです。これにより、貯蓄を取り崩す額を減らしたり、新生活で必要なものを妥協せずに揃えたりと、経済的な余裕が生まれます。お金は、必要なタイミングで手元にあることが重要です。「後で売る」のではなく「今売って」確実に資金化することは、新生活をスムーズに始めるための賢い資産運用と言えます。

メリット4:【安心】新居の「駐輪場問題」から解放される

特に都市部や集合住宅への引っ越しの場合、これは深刻な問題です。「新居に着いたはいいが、バイクを置く場所がない」という事態は絶対に避けなければなりません。

新居のマンションやアパートに、都合よくバイクの駐輪場が空いているとは限りません。空いていたとしても、月額5,000円~10,000円、都心部ではそれ以上といった高額な駐輪場代が固定費として発生することもあります。また、セキュリティが不十分な場所しかなく、盗難やイタズラのリスクに怯えながら保管しなければならないケースも考えられます。

「運んだはいいが、置く場所がない」「駐輪場が見つからず、遠く離れた月極駐車場を借りる羽目になり、維持費も利便性も最悪」という事態に陥れば、バイクはただの「お荷物」になってしまいます。引っ越し前に売却すれば、こうした新居での駐輪場探しのストレスや、予期せぬ維持費の発生といったリスクから完全に解放されます。

「引っ越し後」の売却がオススメできない理由


メリットの裏返しになりますが、「引っ越し後」の売却がいかに不利かをまとめます。

第一に、前述の高額な輸送費が「純粋な損失」になることです。第二に、新生活の多忙な時期に「売却活動」をするストレスです。新しい環境に慣れるだけでも大変な時期に、複数の買取業者と連絡を取り、査定の日程を調整し、交渉する時間と気力がありますか?おそらく、面倒になって「最初に来た業者でいいや」と安値で妥協してしまうでしょう。

さらに、もし住所変更手続きを怠ったまま売却しようとすると、現住所と車検証の住所が異なるため、売却時の手続きがさらに煩雑になります。旧住所の「住民票の除票」などを取り寄せる必要が出てくるなど、余計な手間と時間が発生します。

要注意!引っ越しシーズン(3月・4月)と「税金」の落とし穴


引っ越しが集中する3月~4月は、特に注意が必要です。バイクの「軽自動車税(種別割)」は、毎年4月1日時点の所有者に対して、その年度の1年分が課税されます。

もし、3月中に引っ越す予定でバタバタしており、売却や廃車手続きが4月1日を過ぎてしまうと、新年度分の税金(数千円)が丸ごと課税されてしまいます。「もう乗らない」と決めたバイクのために、無駄な税金を払うのは非常にもったいない話です。

引っ越しが3月~4月にかかる場合は、3月31日までに売却(=買取業者による廃車手続き完了)を済ませておくことが、無駄な税金を払わないための鉄則です。この点からも、引っ越し準備と並行して早めに売却活動を始めるのが賢明です。

まとめ


引っ越しは、愛車との関係を見直す絶好の機会です。「輸送費」「住所変更の手間」「駐輪場問題」「税金リスク」――これら4つの観点から見ても、バイク売却の黄金タイミングは「引っ越し前」で間違いありません。

売却で得た資金と、手続きから解放された「時間の余裕」は、何物にも代えがたい新生活への贈り物となります。引っ越しが決まったら、荷造りと同時にバイクの「一括査定」を申し込む。それが、新しいスタートを最もスムーズに、そして賢く切るための第一歩です。