風を切って走る爽快感、どこまでも自由に行ける開放感。バイクは、日常を特別なものに変えてくれる素晴らしい乗り物です。近年、そんなバイクの魅力に惹かれ、颯爽と走り出す女性ライダーの姿を目にすることが多くなりました。
免許を取得し、いざ自分の愛車を選ぼうとしたとき、特に中古バイクは選択肢が豊富で、期待に胸が膨らむ一方で、「どんなバイクが自分に合っているのだろう?」と悩んでしまう方も少なくないのではないでしょうか。
大切なのは、見た目の格好良さだけでなく、心から信頼でき、安心して身を預けられる「相棒」を見つけること。この記事では、女性ライダーが後悔しないための中古バイク選びのポイントと、実際に多くの先輩ライダーに選ばれてきた人気の車種をご紹介します。
女性ライダーが後悔しないための中古バイク選びのポイント
憧れのバイクを手に入れても、自分の体格や乗り方に合っていなければ、乗ることが次第に億劫になってしまうかもしれません。そうならないために、デザインや性能と同じくらい大切にしたいのが、「乗りやすさ」と「扱いやすさ」です。ここでは、特に女性がバイクを選ぶ際に確かめておきたい、3つの重要なポイントを解説します。
最も重要な「足つき」と「車体の重さ」
バイク選びで最も重要と言っても過言ではないのが、「足つき性」です。信号待ちや駐車の際、自分の足でしっかりと車体を支えられるかどうかは、精神的な安心感に直結します。シート高の数値だけを見るのではなく、実際に跨ってみて、片足でも良いので母指球(足の親指の付け根)までしっかりと地面に着くかを確認しましょう。シートやタンクの幅によっても足つきは変わるため、スペック上の数値だけでは判断できない感覚が大切です。
そして、足つき性と合わせて考えたいのが「車体の重さ」です。バイクを押して歩いたり、駐輪場で向きを変えたりと、エンジンをかけずにバイクを操作する場面は意外と多くあります。また、万が一立ちごけしてしまった際に、自力で引き起こせる重さかどうかも、一人で走り出す上での自信につながる重要な要素。軽いバイクは、それだけで心理的なハードルを大きく下げてくれます。
無理のない姿勢で乗れる「ハンドル位置」
快適なライディングのためには、無理のない乗車姿勢を保てるかどうかも大切なポイントです。ハンドルが遠すぎたり、低すぎたりすると、肩や腰に負担がかかり、長時間の運転が苦痛になってしまうことも。実際にバイクに跨った際に、腕が自然に伸び、軽く肘が曲がるくらいの余裕があるハンドル位置が理想的です。アメリカンやクラシックタイプは比較的ゆったりとした姿勢、スポーツタイプは前傾姿勢、ネイキッドタイプはその中間、といったように、バイクの種類によって基本的な乗車姿勢は異なります。自分がどんな風に走りたいかを想像しながら、心地よいと感じる一台を見つけましょう。
心から乗りたいと思える「デザインとスタイル」
安全性や扱いやすさはもちろん重要ですが、やはりバイクは「心から乗りたい」と思えるデザインでなければ意味がありません。自分の愛車を眺めているだけで心が満たされたり、ファッションやヘルメットと合わせてコーディネートを楽しんだりするのも、バイクライフの大きな醍醐味の一つです。クラシックで普遍的なスタイル、未来的でスポーティーなデザイン、あるいは個性を主張するカスタムバイク。性能やスペックだけでなく、自分の感性に響く、最高に格好良いと思える「相棒」を探す時間も、ぜひ楽しんでください。
女性ライダーに実際に選ばれている人気中古バイク
それでは、これまでご紹介した選び方のポイントを踏まえ、実際に多くの中古バイクの中から、女性ライダーに選ばれてきた人気のモデルをご紹介します。これらのバイクが人気なのには、やはり理由があります。
不動の人気を誇るクルーザー「ホンダレブル250」
現在のバイク人気を牽引する、まさに代表格と言えるのがホンダのレブル250です。人気の最大の理由は、クラスでもトップクラスの足つきの良さ。シート高が低く、車体もスリムなため、小柄な方でも安心して乗ることができます。軽快なハンドリングと扱いやすいエンジン特性は、街乗りからツーリングまで、あらゆる場面でライディングの楽しさを教えてくれるはずです。シンプルでありながら洗練されたデザインは、カスタムのベースとしても人気が高く、自分だけの一台を創り上げる楽しみも持っています。
足つき抜群のクラシックモデル「ヤマハドラッグスター250」
生産が終了してからもなお、中古市場で絶大な人気を誇るのが、ヤマハのドラッグスター250です。本格的なアメリカンスタイルでありながら、250ccクラスならではの軽量でコンパクトな車体は、女性でも非常に扱いやすいのが特徴。レブル250よりもさらに低いシート高は、足つきに不安がある方にとって、何よりの安心材料となるでしょう。流麗なデザインと、空冷Vツインエンジンが奏でる鼓動感は、ゆったりと景色を楽しみながら走るクルージングの魅力を存分に味あわせてくれます。
スタイリッシュなフルカウルスポーツ「ヤマハYZF-R25」
「せっかく乗るなら、スーパースポーツのような格好良いバイクがいい」と考える女性ライダーに絶大な支持を得ているのが、ヤマハのYZF-R25です。レースマシンのような流線形のフルカウルに身を包んだ姿は、多くのライダーの憧れ。スポーツバイクと聞くと、乗車姿勢が厳しいイメージがあるかもしれませんが、このモデルは日常的な使い勝手も考慮されており、見た目以上に乗りやすいと評判です。軽快な走りとスタイリッシュなデザインを両立させた、スポーツバイク入門に最適な一台と言えるでしょう。
まとめ
中古バイク選びのポイントや人気の車種をご紹介してきましたが、最終的に大切なのは、あなた自身が「このバイクと共に走りたい」と心から思えるかどうかです。
カタログスペックやネットの評判はもちろん参考になりますが、それだけでは分からないバイクとの相性が必ずあります。ぜひ、実際に販売店へ足を運び、たくさんのバイクに触れ、跨ってみてください。そして、エンジンをかけた時の音や振動、ハンドルを握った時の感触を、ご自身の五感で確かめてほしいのです。
そうして見つけ出した一台は、きっとあなたのバイクライフを最高に輝かせる、かけがえのない「相棒」となってくれることでしょう。