愛車のバイクはどのようにタイヤを選んでいますか?
「タイヤを意識したことはあまりなかった」「減ってきたら適当に変えてた」「値段しか意識していない」という方も多いかもしれません。
タイヤは路面とバイクとを結ぶ唯一のパーツです。
「タイヤを変えただけで、そんな変わらんでしょ!」と考えている方、そんなことはありません。
タイヤでバイクの性格はガラッと変わります。どんなバイクもタイヤ次第といっても過言ではありません。
そこで今回は、タイヤの基本的な種類をご紹介します。
ご自身に合ったタイヤ選びを行なって、今後のタイヤ選びの参考にしていただけたら幸いです!
メーカーごとに異なるタイヤ規格
ご存じの方も多いと思いますが、タイヤの側面にはサイズの表記が刻まれています。
専門用語で「メトリック表記」といいますが、例えば180/55R17などの表記がこれにあたります。
そして、たいていのバイクは標準よりワンサイズ大きい、または小さいタイヤを履くことができます。
バイクメーカーがタイヤの干渉を避けるために少し余裕を持たせて設計しているからです。
なぜ規格でサイズが決まっているのに余裕を持たせているかというと、「メトリック表記上は同サイズであっても、メーカーによって実寸のタイヤサイズは違うから」です。
例え同じサイズ表記でも、メーカーによって平気で5mm以上幅が違うこともあります。
銘柄|タイヤ幅 | |
ブリヂストン | RS10|183mm BT023|183mm |
ダンロップ | α-13|187mm roadsmart|182mm |
ミシュラン | POWER SS|178mm PILOTROAD3|178mm |
ラジアルタイヤ?バイアスタイヤ??
ラジアルタイヤは柔軟なサイドウォールにより、路面追従性に優れていることが特徴です。接地面がバイアスタイヤに比べて安定しているため、コーナーリングで優れたグリップ力を発揮します。更に安定した接地面によりタイヤの摩耗も均一です。サイドウォールが柔軟なラジアルタイヤのもう一つの特徴として、高速走行時の乗り心地のよさがあります。これはタイヤの柔軟性により路面からの衝撃を吸収するためです。
一方、サイドウォールの剛性が高いバイアスタイヤは、高荷重に耐えることができます。しかし、高速走行時には、遠心力によるトレッドの変形が大きいため、操縦安定性に悪影響を与えますが、低速時の乗り心地が良く、小・中排気量オートバイであまりフレーム剛性が高くない車両に向いています。また、重量のあるオートバイや、荷重の大きいオートバイにも適しています。エンジン出力が大きいパワフルなオートバイでのスポーツ走行にはラジアルタイヤが必需品です。速度記号はZR、つまり最高速度240km/h以上を実現します。
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タイヤの構造には 上記のように『バイアスタイヤ』と『ラジアルタイヤ』があります。
タイヤ全体で衝撃を吸収するのがバイアスタイヤ、側面のみで衝撃吸収するのがラジアルタイヤとなります。
▽表でまとめてみました。
バイアスタイヤ | ラジアルタイヤ |
低速、悪路走行での乗り心地が良い | 操縦性、安定性に優れる 発熱が少ない 転がり抵抗が少なく燃費性に優れる 耐摩耗性に優れる スリップが少なく、けん引力が大きい 高速での乗り心地が良い |
値段が安い | 値段が高い |
ラジアルは、回転方向に対し垂直に組まれたカーカスの上に、さらに左右斜め方向のカーカスを重ね合わせた構造をしています。バイアスタイヤよりもカーカスの構造がより強固で、タイヤの剛性が高いことが特徴です。
その他の特徴としては、
- 軽量に作れ、路面追従性が高い
- グリップ力が高く、加減速時の性能が高い
などが挙げられます。バイアスタイヤよりも優れた点が多いため、近年ではラジアルタイヤが主流になっています。
チューブタイヤとチューブレスタイヤ??
チューブタイヤとチューブレスタイヤの大きな違いは「空気をチューブ内に貯めるのか、タイヤ内に直接貯めるのか」「チューブがあるのかないのか」ということです。
チューブタイヤ
チューブタイヤはホイールとタイヤの間に1本の大きなチューブがあります。
このチューブに空気を保持しています。チューブタイヤはタイヤ自体に空気を貯めないのでタイヤとホイールの密着性をチューブレスタイヤほど重視しなくてもいいのでタイヤをホイールに組み付けるのが比較的楽です。
またホイールとタイヤの間に隙間ができても空気が入っているのはチューブ内なので、チューブさえ無事であればその隙間から空気が抜けることはありません。衝撃や低い空気圧に耐えられるタイヤということです。
そのためほとんどのオフロードバイクはチューブタイヤを履いています。
ちなみにタイヤに釘が刺さってもチューブが無傷であれば問題ないです。短めの釘が刺さった程度ではパンクには至りません。
パンクをしてしまった場合はタイヤを外してチューブを交換しなければならないので「タイヤ交換と同額の工賃」がかかります。
チューブレスタイヤ
チューブレスタイヤはその名の通りチューブがありません。
チューブタイヤ内のチューブと比べて、インナーライナーに触れているタイヤ内の空気の表面積が広いので放熱性が良く、タイヤが熱くなりにくいのでレース用、オンロード用のバイクに多く採用されています。
空気はタイヤ内に直接貯めることになります。
簡単にまとめると?
チューブタイヤ
- 異物が刺さるとすぐに空気が抜ける
- パンク修理剤で修理できない
チューブレスタイヤ
- パンク修理剤で修理できる
- 異物が刺さってもすぐに空気が抜けない
また、釘等の異物が刺さった場合に、対処の方法が異なります。
チューブタイヤの場合は、内部の構造が痛みやすいので、釘等を早く抜いて専門店へ行くようにします。
これに対して、チューブレスタイヤの場合は抜かずに専門店へ行くようにします。
抜くと一気に空気が抜けてしまう可能性があるからです。
パンク修理剤で修理できるので、ツーリング先で何かが刺さってもバイク屋さんに行けば数千円程度で修理してもらえます。
ハイグリップ?スポーツ?ツーリング?
唯一路面と接する部分がタイヤですので、エンジンパワーもブレーキに依る制動力も最終的に路面に伝えるのはタイヤです。
「うまく走りたいなら良いタイヤを履け」といわれるくらい恐らくどんなカスタムや改造をするよりも良いタイヤを履いたほうがライディングは上手になり、バイクを操れる範囲が広くなります。
また、ツーリングメインでバイクライフを楽しんでいる方はより寿命が長いタイヤを選ぶことでバイクライフの費用を抑えることができます。
ハイグリップタイヤ
サーキットで使用することもでき、公道走行もできるタイヤです。
公道用のタイヤとしては価格がもっとも高く、グリップ力ももっとも高いタイヤとなります。
走行距離は3000~6000km程度と他のタイヤと比べると短いのでお財布には厳しいです。
晴天時のグリップ力(ドライグリップ)にグリップ力を振っているのでウエット性能はそこまで高くありません。
排水を重要視していないのでタイヤパターンはシンプルになります。
温度依存度が高いため、タイヤが冷えているときはスポーツタイヤより滑りやすいタイヤとなり、休憩後や時間をあけた後の走り始めなどには特に注意が必要です。
レーシングレプリカタイヤと呼ばれることもあります。
「雨の日は走りには行かない!」「走るなら峠に行く!!!」といったライダーにはおすすめのタイヤとなります。
スポーツタイヤ
サーキットで使用することもできる高性能なハイグリップタイヤと公道走行をメインとしたツーリングタイヤの中間の性能を有したタイヤです。
ハイグリップタイヤよりは価格は安いですが、ツーリングタイヤと同価格帯の場合も多いです。
価格はツーリングタイヤと大きく変わらないこともありますが、走行距離は6000~10000kmと、ツーリングタイヤよりも短くなります。
ツーリングタイヤと価格が同じでも走行距離目安が半分のこともあるので距離あたりの価格は倍になってしまいます。
ウエット性能よりもドライグリップにグリップ力を振っているのでハイグリップほどではないですがウエット性能は低いです。タイヤパターンは大げさではないくらいの適度な溝が入ります。
温度依存度が高くありませんが、タイヤが冷えているときに油断してラフにアクセルを開けると滑るので注意が必要です。
ツーリングタイヤ
サーキットで使用することには向きませんが公道を平和に走るには何の心配もないタイヤです。
多くの場合スポーツタイヤよりも安いことが多く、スポーツタイヤと同価格帯の場合も多いですが、走行距離は10000~20000kmとかなり長いタイヤとなります。
ドライグリップとウエットグリップの両立を目指しているのでウエット性能は高いです。雨の日でも比較的安心して運転できるためタイヤパターンはかなり大げさなものが多いです。
温度依存度が低く、タイヤが冷えているときでも十分なグリップを発揮できます。逆に十分にタイヤが温まった状態でのグリップはハイグリップやスポーツタイヤには劣ります。
スポーツタイヤと価格が同じでも走行距離目安が倍なので距離あたりの単価は半分になります。
まとめ
以上タイヤの種類や構造についての記事でした!
お乗り換えの際はStepupにお気軽にご連絡ください!
どんなことでも親身にご対応させていただきます!