冬は気温が低く、路面状況も悪くなりがちなため、ツーリングを諦めている方も多いかもしれません。
雪がひどい場合やあまりに視界が悪い日の走行は避けていただきたいところですが、積雪や凍結などがない場合は、しっかりと準備することでツーリングを存分に楽しめます。
今回は、冬でもツーリングを楽しみたい方に向けて、寒さ対策と注意点を解説します。
冬ツーリングの魅力
冬になるとバイクに乗らなくなるという方も少なくありません。しかし、行楽シーズンに賑わうスポットも寒さで客足が減り、走りやすいツーリングができるのは大きなメリットです。
バイクはクルマよりも身近に自然を感じられるのが、魅力の一つです。雪景色が楽しめるスポットなら、冬ならではの景色と一体化した気分で、爽快な走りを満喫できます。
また、虫が少ないのも冬だからこそのメリットです。防虫対策やヘルメット汚れを気にしなくてよいのも、ライダーにとってはうれしいポイントではないでしょうか。
冬ツーリングの注意点
魅力満点の冬ツーリングですが、いくつか注意点がありますので確認しておきましょう。
体感温度の把握
気温だけを確認して、寒くないと判断してしまうのは間違いです。
外気温が10℃と比較的暖かい日でも、バイクで60km/hで走行した場合、体感温度は-3.6℃ほどとなってしまいます。
体感温度は、インターネットによって事前に調べられます。
ルート・スポットの確認
ルート・スポットの確認も行ってください。ツーリングルートやスポットを決める際は、山間部(標高1000m付近)を避けましょう。
雪が降っていなくても、山間部の路面は凍結している恐れがあります。関東であれば、房総半島方面や伊豆・浜松方面などは比較的標高が低いため、ツーリングしやすいエリアです。
防寒対策
大げさなくらい気にかけておきたい注意点が、ライダー自身の防寒対策です。走行中の体感温度にくわえ、冬の冷たい風にも注意しなければなりません。
ジャケットやグローブなど一部の装備だけに気を配るのではなく、全身の防寒対策を整えておきましょう。
冬ツーリングの防寒対策を、装備別に分けてご紹介します。
冬ツーリングの装備【ライダー編】
まずは、ライダー自身の装備について解説します。ライダー自身の装備として挙げられるのが、ジャケット・パンツ・インナー・ヘルメット・グローブ・シューズなどです。
それぞれについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ジャケット・パンツ
防寒用のジャケットやパンツは、冬ツーリングの必須アイテムです。
ジャケットは、襟元や袖口、ファスナー部分などの防風が施された防寒用のものを選びましょう。
パンツは動きやすさが重視されており、防風効果がジャケットよりも低くなっています。防風効果を上げるおすすめの着こなしは、オーバーパンツを使用して、パンツを二重にはくスタイルです。
防風・防寒どちらも対策できますし、スポットによって暑い場合は脱いで調節できます。
おしゃれでカジュアルなデザインも多く販売されていますので、愛車に合わせて購入するのもおすすめです。
インナーウェア
体温を逃がさないために、インナーウェアは重要なアイテムです。バイク用の防寒対策が施されたアイテムが、多数販売されています。
バイク用以外なら、登山用のインナーウェアをおすすめします。バイク用と同じく動きやすく、保温力が高いので、バイクでの使用も可能です。
ボトムインナーもありますので、オーバーパンツでも寒い方は活用してみてください。
ヘルメット
普段使用のヘルメットが、ハーフヘルメットやジェットヘルメットの方は要注意です。冬ツーリングの場合は、顔全体を覆って、風の侵入が防げるフルフェイスヘルメットを用意しましょう。
フルフェイスヘルメットの場合、シールドの曇りに注意する必要があります。シールドの曇り対策として、曇り防止スプレーの使用が、コスト面でもおすすめです。
より確実な対策のために使えるのが、ピンロックシールドです。ピンロックシールドを装着することで、シールドが二重構造となり、曇りを防止できます。
新しくフルフェイスヘルメットを購入する場合には、ピンロックシールドが標準装備されているものがおすすめです。
グローブ・シューズ
防寒対策が難しいのが、足や手の指先です。
グローブは、あまりにも重ねて装備しすぎると、バイク操作を阻害してしまう恐れがあります。おすすめのグローブは、袖口からの風を防ぐロングタイプ。少し大きいサイズを購入し、インナーグローブと二重にしておくと安心です。
シューズは、決定的な防寒グッズが少ないのが特徴です。ロングタイプのシューズであれば、裾からの風を防ぐことが可能ですが、足先がどうしても冷えてしまいます。
足先の冷えを防ぐ場合には、保温機能のある靴下などを用意しましょう。
冬ツーリングの装備【バイク編】
ライダー自身だけでなく、バイクのカスタムによって防寒対策が可能です。ここからは、冬ツーリングの防寒対策におすすめのバイクカスタムをご紹介します。
グリップヒーター
バイクによっては標準装備されているケースもある、グリップヒーターです。後付けの場合、配線が難しそうで敬遠しがちですが、グリップ交換不要で、既存のグリップに巻きつけるだけの製品もあります。
電源にはスマートフォン用バッテリーなども代用できますので、準備しておくだけで手軽に装備が可能です。
ハンドルカバー・ナックルガード
防風対策として、ハンドルカバー・ナックルガードが挙げられます。
自転車用のハンドルカバーが多く見られますが、バイク専用のハンドルカバーもあります。バイクに合わせたデザインとなっており、簡単に着脱が可能です。
防風だけでなく、転倒時のレバー破損防止が可能なナックルガードもおすすめです。ハンドルカバーに比べると防風性能は劣りますが、グリップヒーターと組み合わせてカスタムしているライダーも少なくありません。
ウインドシールド
走行中の前面からの風を防ぐ、ウインドシールドです。ライダーの身体に直接風が当たらないことは、かなりの防寒対策になります。
大型のウインドシールドが高性能ですが、無理に大きなシールドを装備する必要はありません。上半身への風を防ぐだけでも防風・防寒効果がありますので、バイクに合わせてカスタムしてください。
まとめ
諦めがちな冬のツーリングですが、しっかりと準備しておくことで快適に楽しめます。
気温が比較的高くても、走行中の体感温度は氷点下となるケースがほとんどですので、防寒対策はいくら行っても困ることはありません。
しっかりと防寒・防風対策を取って、冬ならではのツーリングをぜひ楽しんでください。