日本の真ん中に位置する愛知県は、東西に長く、海も山も、そして大都市も併せ持つ、多様な表情を持つエリアです。それはバイク乗りにとって、走る場所に事欠かない恵まれた環境であることを意味します。伊勢湾・三河湾を望む風光明媚な海岸線、緑深い山々を駆け抜けるワインディングロード、歴史を感じる城下町や古い町並み、そして近未来的なベイエリアまで、様々なツーリングスタイルに応えてくれるスポットが満載です。今回は、愛知県内から特におすすめしたいツーリングスポットをピックアップし、それぞれの魅力をご紹介します。次の休日は、愛車のエンジンをかけて、愛知の魅力探訪に出かけてみませんか?
伊良湖岬・恋路ヶ浜(渥美半島)
渥美半島の先端に位置する伊良湖岬は、愛知を代表する絶景スポットの一つです。太平洋の荒波と、穏やかな三河湾に挟まれたこの地には、白亜の伊良湖岬灯台が立ち、ロマンチックな雰囲気を醸し出しています。隣接する恋路ヶ浜は、約1kmにわたって続く美しい砂浜で、日本の渚百選などにも選ばれています。潮騒を聞きながら海岸線を走るだけでも心地よく、夕暮れ時には感動的なサンセットを望むことができます。周辺には新鮮な海の幸を味わえる食堂も多く、特に名物の大あさりはぜひ味わいたい逸品です。半島を走る国道42号線や259号線は、交通量も比較的少なく、開放感あふれるツーリングが楽しめます。
野間灯台(知多半島)
知多半島の西海岸、美浜町にある野間灯台は、伊勢湾に沈む夕日が美しいことで知られるロマンチックなスポットです。「絆の鐘」や南京錠をかけるフェンスが設置されており、「恋人の聖地」としても認定されています。海沿いを走る国道247号線からのアクセスも良く、ツーリングの立ち寄りポイントとして最適です。白い灯台と青い海のコントラストは写真映えも抜群。特に夕暮れ時は、多くのライダーやカップルが訪れます。近くにはカフェなどもあり、海を眺めながらの休憩にもぴったりです。名古屋方面からの日帰りツーリングでも気軽に訪れることができる距離感も魅力です。
茶臼山高原道路(奥三河)
愛知県で最も標高の高い場所を走る茶臼山高原道路は、本格的なワインディングを楽しみたいライダーにおすすめのルートです。北設楽郡豊根村に位置し、標高1,200mを超える地点を駆け抜けます。緑深い山々の中、適度なカーブが続き、標高が上がるにつれて視界が開け、爽快な高原風景が広がります。春の新緑、夏の涼風、秋の紅葉と、四季折々の美しい自然を満喫できるのが魅力です。途中には展望台や休憩所も設けられています。愛知県最高峰である茶臼山の山頂付近までアクセスでき、ハイキングなども楽しめます。ただし、冬季は積雪のため閉鎖されるので注意が必要です。
香嵐渓(豊田市足助町)
奥三河の紅葉の名所として全国的に有名な香嵐渓。巴川沿い約1kmにわたり、約4,000本ものモミジが植えられており、秋には燃えるような赤や黄色に染まります。特に巴橋や待月橋からの眺めは絶景です。紅葉シーズン中は大変な混雑が予想されますが、その美しさは一見の価値あり。バイクであれば、周辺の駐車場情報を確認しつつ、比較的アクセスしやすいかもしれません。紅葉シーズン以外でも、清流沿いの散策や、古い町並みが残る足助の街並みを楽しむことができます。国道153号線(飯田街道)からのアクセスとなり、道中のワインディングも楽しめます。
本宮山スカイライン(岡崎市・豊川市・新城市)
三河エリアの山々を駆け抜ける有料道路、本宮山スカイラインは、走り応えのあるワインディングロードとしてライダーに人気があります。全長約17kmの道のりは、適度なアップダウンとカーブが連続し、ライディングテクニックを試すにはもってこいのコースです。標高が上がるにつれて視界が開け、途中にある展望台からは三河湾や周辺の山々を一望できます。新緑や紅葉の時期は特に美しい景色が楽しめます。通行料金が必要ですが、整備された路面と交通量の少なさ(平日など)で、快適なワインディング走行が可能です。
常滑やきもの散歩道(知多半島)
焼き物の街として知られる常滑市。その中心部にある「やきもの散歩道」は、バイクを停めてゆっくり散策したい魅力的なエリアです。土管や焼酎瓶が埋め込まれた「土管坂」、レンガ造りの煙突、黒壁の工場、古い窯元などが点在し、ノスタルジックで独特な風景を作り出しています。道は狭く入り組んでいるため、バイクは指定の駐車場に停めて歩くのが基本ですが、その迷路のような路地歩きも楽しみの一つです。おしゃれなカフェやギャラリー、雑貨店なども多く、ツーリング途中の休憩やランチ、お土産探しにも最適です。
豊浜魚ひろば(知多半島)
知多半島の南端に近い南知多町豊浜にある「豊浜魚ひろば」は、新鮮な海の幸を求める人々で賑わう人気のスポットです。伊勢湾や三河湾で水揚げされたばかりの魚介類が豊富に並び、威勢の良い声が飛び交う活気ある市場です。その場で食べられる海鮮丼や浜焼きなどを提供する食堂も併設されており、ツーリングのランチスポットとして最高です。特に旬の魚や貝類は格別。新鮮な魚介類をお土産に買って帰ることもできます。駐車場も整備されており、バイクでも立ち寄りやすいのが嬉しいポイントです。
蒲郡・竹島(蒲郡市)
三河湾に面した蒲郡市にある竹島は、本土と約400mの橋で結ばれた小さな島です。島全体が国の天然記念物に指定されており、島の中央には縁結びの神様として知られる八百富神社が鎮座しています。橋を渡って島へ歩くのはもちろん、対岸からの眺めも美しいです。周辺には竹島水族館や、海辺の文学記念館などもあります。蒲郡周辺には三河湾オレンジロードなど、海沿いや丘陵地帯を走る景色の良い道もあり、セットでツーリングを楽しむのがおすすめです。
三ヶ根山スカイライン(蒲郡市・西尾市)
三河湾国定公園内を走る全長約5kmの有料道路です。標高約300mの尾根を走り、太平洋と三河湾の両方を一望できる素晴らしいパノラマが広がります。特に夕景や夜景スポットとしても人気があります。また、沿道には約7万本のあじさいが植えられており、梅雨時期には「あじさいライン」としても親しまれ、多くの観光客やライダーが訪れます。カーブも適度にあり、景色を楽しみながらのんびりと走るのに適したルートです。
中部国際空港セントレア周辺(常滑市)
伊勢湾に浮かぶ人工島にある中部国際空港セントレア。空港自体が目的地となるツーリングも魅力的です。本土と空港島を結ぶセントレアライン(有料)は、海上を一直線に走る爽快な道。空港島内には、飛行機の離着陸を間近に見られる展望デッキ「スカイデッキ」があり、迫力満点です。レストランやショップも充実しているので、食事や休憩にも困りません。海風を感じながら飛行機を眺める非日常感は、ツーリングの良い思い出になるでしょう。
まとめ
愛知県には、今回ご紹介したスポット以外にも、まだまだたくさんの魅力的なツーリングルートや目的地があります。海、山、街、歴史、グルメと、その日の気分や好みに合わせて様々なツーリングプランを立てられるのが愛知県の大きな魅力です。ぜひ、愛車のバイクと共に、愛知の道を走り、その多様な風景と文化に触れる旅に出かけてみてください。安全運転で、素晴らしい思い出を作りましょう。